Function

役割

ハワイアンロミロミは、西洋や東洋に伝わる多くのセラピーと共通したコンセプト(基本的な考え方)を持っています。 宇宙、地球にある「生きる力」を調和して取り入れることで体を正常な状態に戻したり維持したりしようとする考え方です。 この「生きる力」のことをハワイでは[マナ]と呼びます。 「ロミロミとは、マナを人の体に取り込むための方法である」と代々ロミロミを受け継いできた達人たちは言います。
[マナ]とは、スピリチュアルな力までを含んだ自然のエネルギーのことで、人や生きものはすべてこのマナで生かされている、というのが古代から伝わるハワイの考え方でもあったわけです。 マナが減ると病気になり、怪我をしたところからはマナが抜けていき、マナが無くなると死んでしまう…これがハワイアンの健康観、死生観でした。 そして抜けてしまったマナを補充するのがロミロミの役割でした。 現在も活躍するロミロミ達人と呼ばれるクプナ(老師)たちは 「ロミロミは様々な技で体を揉むというマッサージテクニックと、自然にあふれているマナを患者(お客様)に継ぎこんでいくというエネルギーテクニックによって人のココロとカラダを正常な状態に導くことだ」 と教えてくれています。 つまりロミロミは 「患者の体を揉みほぐすのと同時に手からマナを補充して、病気の予防と治療を行った古代ハワイアンから伝わる医療」 だったのです。

古代からの伝統ロミロミ

ロミロミは単に体を揉んで健康を維持したり種々の病気を治すマッサージ療法としての一面だけではなく、種々の治療法(セラピー)においても有効に使われていました。

たとえば…

温熱療法との組み合わせ

古代ハワイアンにはサウナがありましたが、このサウナの前後にロミロミを行うことで、筋肉をやわらげたり薬草の効果を高めたりデトックスの促進を行っていました。

また天然の温泉(プール)でも同様のことが行われていました。

薬草療法との組み合わせ

薬草を塗り込む、巻いて揉む、飲ませて揉むなどにより薬草の効果を早め、効果を高める方法としても使われていました。

 精神・心理療法との組み合わせ

ホオポノポノ(スピリチュアルの浄化)の儀式のときにロミロミを組み合わせることによりリラックス効果、さらには精神の浄化の効果を高めていたともいわれています。

ホンモノのロミロミとは

以前よく「何がホンモノのロミロミか」というテーマがロミロミセラピストの間で、そして正式には政府や歴史・文化研究家の中で話題(議論)になっていました。

どの先生(クム・クプナ)のロミロミがホンモノなのか、

カフナの子孫だけがホンモノのロミロミをすると言えるのではないか、

ハワイアンでなければホンモノのロミロミはできないのか、

どこの島のロミロミがホンモノなのか、

何式のロミロミがホンモノなのか、

どの手順で行うのがホンモノのロミロミなのか…。

いろいろな議論や主張はありましたが、最終的に結論は出ませんでした。

(にもかかわらず、今でも「私の流派こそがホンモノで正当なロミロミなのである!他のはウソモノなのである!」と鼻息を荒くしているセラピストや自称先生がいたりしますけど…笑)

ロミロミの原点の役割(目的)は、正常でなくなってしまった人々の体と心を正常な状態に戻すことなわけですから、個人個人の症状や性格、状態をしっかり見極めて、それぞれにシチュエーションに合った治療を施す必要があります。

つまり患者の症状によってさまざまな治し方をしなければならない。

その様々な方法において使われる方法のひとつがロミロミだったわけですから、決まった手順や方法などあるわけがなく、手順にこだわって「ロミロミのホンモノとは何か」を話すのはナンセンスです。

また「血統」について、特に「カフナ(専門的な知識と技術を持った王に使える高い位の神官)の子孫であるか」を「ホンモノのロミロミ」かどうかの基準にする議論もありましたが、調査の結果(現在のところ)歴史的にロミロミ専任のカフナがいたという文献や証言は見つかっていません。

医療の役割を担っていたカフナが、人を治療する重要な治療法のひとつとしてロミロミを行っていたということだったようです。

つまり「私はロミロミのカフナの子孫」という存在はハワイの歴史の史実からは考えられません。

共同生活体(村や一族など)の中に、カフナからロミロミを学んで共同生活台の人々の町医者的存在になった「カナカ・ロミロミ(ロミロミセラピスト)」はかなりの数存在していたようですので、その子孫たちが伝統的なロミロミを継承している可能性はあります。

しかしその継承されているロミロミが「ホンモノ」であるかどうかははなはだ疑問でもあります。

まず、正しく伝承されているかどうかが疑問です。本当に古代から伝わった伝承であればあるほど文字の無いハワイアンは伝聞で伝えるしかなかったため、伝言ゲームのように内容が変わっている可能性があるからです。

また、昔から行われていたロミロミテクニックや方法の中には現代の医学では非常識とされている内容があったりするのも、それが「ホンモノ」であるかどうかの判断の際には考える必要があります。

また、ハワイアンの楽器として有名なウクレレがポルトガルから持ち込まれたように、ロミロミは多くの外国からの知識を吸収して発達してきた歴史があります。

たとえば、有名なお腹のロミロミ「オプ・フリ」もポルトガルから持ち込まれたとの一説もあります。

ハワイアンは海外からの知識を積極的にハワイ風に取り入れてアレンジしたことで発達してきた文化を持ちます。

ですから純粋に古代から伝えられただけのロミロミが「ホンモノ」であるかどうかにも疑問が残るところなのです。

このようにいろいろな議論が行われてきた中で、現在では一概に「なにがホンモノのロミロミなのか」を、先生の血統や方法論などで議論することはナンセンスなのだ、ということになっているのが現状です。

「ホンモノのロミロミとは」

ロミロミの役割である
「ロミロミは様々な技で体を揉むというマッサージテクニックと、自然にあふれているマナを患者(お客様)に継ぎこんでいくというエネルギーテクニックによって人のココロとカラダを正常な状態に導くこと」
という原点を理解して、
・体の知識(解剖学・生理学)を熟知し
・一生懸命勉強し練習し
・患者(お客様)のことを一生懸命考え
行われているロミロミこそが「ホントウ・ホンモノ」であると考えます。

「誰がホンモノか」などということばかりを考えるのは「アロハ」ではありません。

ハワイアンのアロハスピリットを理解し、自然を愛し、その自然の恵みである「マナ(生きる力)」によって愛する患者(お客様)を癒すことに全力をそそぐ施術こそが「ホンモノのロミロミ」なのです。

Effect

効果

ハワイの伝統医療であり、現代のハワイアンマッサージとしてのロミロミには大学研究機関(ハワイ大学)などから科学的な視点での効果に関するリポートが発表されています。

  • 筋肉を揉みほぐすことで疲れやコリが軽減
  • 体がリラックス
  • 血液やリンパの流れが良くなるため、元気に、そしてムクミが取れたすっきりボディになる
  • 免疫力が高まり病気になりにくくなる
  • 便通が良くなりデトックス促進の胃活・腸活効果
  • なにより気持が良い

などの期待される効果はボディケアマッサージに共通したものです。

そしてハワイの大地に育まれたロミロミには、

  • 心をもほぐしてくれるリラックス効果
  • 自然の力をセラピストを通じて注入されるため自然治癒力が高まりやすい
  • 西洋医学をはじめ、各種療法と相性が良い

といった効果があるといわれています。